ローンが残っている不動産を売却する際に気になるポイントをまとめました
もし、今住んでいる家を手放さなくなった時、まだ住宅ローンが残っているけれどそれって売れるの?と疑問に思っている方もいるでしょう。
こういう状況の方は結構いて、せっかく家を買ったのに急に転勤になってしまったり、介護のために親と一緒に住むため部屋数が足りなくなったりで、売却に踏み切る方はたくさんいます。
もし住宅ローンがまだ残っている場合、その不動産は売れるのかについて詳しく見てみましょう。
ローンが残っていても家は売れる
結論から言ってしまうと、住宅ローンが残っていても不動産は売れます。
ただし、色々条件はあって、最低限住宅ローンに設定されている抵当権を抹消しなければなりません。
そのためには完済が必要となってくるため、自己資金がいくらかまとまって必要となります。
もしもそのようなお金がないなら、必要となる資金分を準備してから売却した方が良いでしょう。
まとまったお金は買い替え時となると売却した資金が役に立ちます。これを住宅ローンにあてて完済を目指す方も多いですね。
住宅ローンが残っている場合は「ローン残高」を確認する
住宅ローンが残っている場合は、売却する前にまずローン残高を確認することが重要です。
住宅ローン残高とは、まだ返済していない住宅ローンの残りの金額のことで、この金額が売却価格を上回っている場合は、その差額を返済する必要があります。
ローン残高は、ローン契約書や銀行の通知書、インターネットバンキングなどを通じて確認することができます。
また、不動産会社に依頼して確認することもできます。
売却価格がローン残高を上回っている場合は、その差額が販売者に支払われることになります。
逆に、売却価格がローン残高を下回っている場合は、その差額を販売者が返済する必要があります。
売却前にローン残高を確認し、売却価格を決定することが重要です。
住宅ローンが残っている家は「いくらで売れるか」を確認する
住宅ローンが残っている家を売却する場合、売却価格はローン残高に加えて、不動産市場における需要と供給のバランス、地域の不動産価格、物件の状態や立地条件などによって決まります。
不動産会社に査定を依頼することで、家の市場価値を把握することができます。
不動産会社は、住宅ローンの残高や物件の状態、立地条件などを考慮したうえで、適切な市場価値を査定します。
査定には、実際に物件を見て判断する「現地調査査定」と、周辺の不動産市場動向を分析して行う「机上査定」があります。
また、インターネット上には、住宅ローンが残っている物件を対象にした一括査定サイトもあります。
このサイトを利用することで、複数の不動産会社から査定額の提示を受けることができます。
ただし、一括査定サイトの査定額はあくまでも参考値として捉え、不動産会社との面談で実際に査定額を確認することをおすすめします。
オーバーローン状態の家を売却する方法
オーバーローンの状態で家を売却する場合、以下2つのような方法があります。
- 住み替えローンを使う
- 任意売却をする
これらのことについて詳しく見ていきましょう。
便利な住み替えローンを使う
まとまった資金が必要とはいえ、新居の購入にかかる費用と、以前の家にかかる住宅ローン返済にかかる資金を用意するのは難しいという場合があります。
そんな時に便利なのが「住み替えローン」。
これは今住んでいる家を売却し、新居を購入する際に利用可能です。
使うと良い理由は、新居を購入するのに必要となるお金を得られるだけでなく、まだ残っている前の家の住宅ローンの残りも同時に借りられるという点です。
これならまとまった資金がなくても家を売却することができますね。
このローンは金利や家計に合わせて選べる型があるため、どれにどんな特徴があるのかを知っておくと良いでしょう。
ただ、注意点としては、売却する家の残っている住宅ローンのお金まで借りるため、今減現在の住宅ローンよりも返済額が増える可能性が出てくることです。
デメリットとしてはここが一番気を付けたいところなので、便利ではありますが、将来のことを良く考えてから利用しましょう。
任意売却をする
オーバーローン状態で、住宅ローンの返済が困難な場合は、任意売却を選択することができます。
任意売却とは、債務者が自主的に不動産を売却し、得られた売却代金で債務を返済する手続きです。
以下は、オーバーローン状態の家を任意売却するための手順です。
1.債務整理の相談をする
まずは、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、債務整理の方法を検討します。
債務整理とは、債務者の債務を整理する手続きで、自己破産、民事再生、債務減免、過払い金返還請求などの方法があります。
債務整理をすることで、返済額の軽減や返済期間の延長が可能になる場合があります。
不動産会社に相談する
任意売却をする場合は、不動産会社に相談し、物件の査定を依頼します。
査定額に基づいて、売却代金を算出し、債権者に提示します。
債権者に交渉する
債権者には、任意売却の意向を伝え、売却代金で債務を完済する旨を伝えます。
債権者が同意すれば、売却手続きを進めることができます。債権者が同意しない場合は、裁判所に審判を申し立てることも可能です。
売却手続きを進める
債権者が同意した場合は、売却手続きを進めます。
不動産会社に物件を売却し、得られた売却代金で債務を返済します。
売却代金が債務残高を下回る場合は、債務残高を完済する必要があります。
任意売却は、自己破産などの債務整理方法に比べ、クレジットスコアの低下が少なく、将来的な借り入れがしやすくなるメリットがあります。
まずは不動産会社や弁護士に相談して、最適な方法を選択することをお勧めします。
住宅ローンが残っている家を売却する際の注意点
住宅ローンが残っている家を売却する際には、以下のような注意点があります。
ローン残高と物件の価格差
住宅ローンが残っている場合、物件の価格がローン残高を下回ってしまうと、その差額を支払う必要があります。
この場合、現金での支払いが必要になることもあるため、事前にローン残高と物件の価格差を確認し、必要ならば資金調達の計画を立てておく必要があります。
契約書の注意点
不動産売買契約書には、物件の権利状況や取引条件などが明記されます。
住宅ローンが残っている場合、ローンの残高や返済状況、物件の担保状況などを正確に記載しておく必要があります。
担保権者の承認が必要な場合がある
住宅ローンが残っている場合、担保権者がローンの残高に対する担保権を有している場合があります。
そのため、物件を売却する際には、担保権者の承認を得る必要がある場合があります。
担保権者の承認を得るためには、事前に担保権者との交渉が必要となるため、時間と手続きが必要になることがあります。
不動産会社の選定
住宅ローンが残っている場合、不動産会社の選定も重要です。
適切な不動産会社を選ぶことで、適正な市場価格で物件を売却することができる可能性が高まります。
また、不動産会社が物件の評価や価格交渉などを代行してくれるため、手続きや交渉の負担を軽減することができます。
以上のように、住宅ローンが残っている家を売却する際には、ローン残高と物件の価格差、契約書の注意点、担保権者の承認、不動産会社の選定などに注意する必要があります。
また、事前に専門家や担保権者との相談を行うことで、スムーズに売れるコツがわかるようになります。
住宅ローンが残っている家を高く売却するコツ
住宅ローンが残っている不動産を少しでも高く売りたい場合、次の2つのことをしておきましょう。
- 写真撮影を工夫する
- 価格交渉の仕方を学んでおく
上記したことについて説明します。
写真撮影を工夫する
住宅ローン返済中の家を高く売却するためには、写真にこだわることが重要です。
以下は、写真にこだわるためのコツです。
プロのカメラマンに依頼する
売りたい物件の写真を撮る場合、プロのカメラマンに依頼することをお勧めします。
プロのカメラマンは、最適なアングルやライティングを考慮した写真を撮影することができ、物件の魅力を最大限に引き出すことができます。
物件を整理整頓する
写真に写る物件が散らかっていたり、汚れていたりすると、見た目が悪くなってしまいます。
物件を整理整頓し、清潔に保つことで、写真の印象が良くなり、物件の魅力がアップします。
インテリアにこだわる
写真に写るインテリアにもこだわりを持つことが大切です。
インテリアの配色や家具の配置などを工夫し、モダンでおしゃれな雰囲気を演出することで、物件の魅力を高めることができます。
現地調査を行う
写真に写る背景や周辺環境も、物件の魅力に大きく影響します。
現地調査を行い、周辺の施設や自然環境などを把握し、それを生かした写真を撮影することで、物件の魅力を最大限に引き出すことができます。
プロの修正を依頼する
プロのカメラマンが撮影した写真を、プロの修正者に修正してもらうことも重要です。
修正者は、色や明るさなどを調整し、より魅力的な写真に仕上げることができます。
以上のように、写真にこだわることで、住宅ローン返済中の家を高く売却することができます。
また、不動産会社に相談することもお勧めします。
不動産会社は、プロのカメラマンや修正者を手配することができ、物件の魅力を最大限に引き出すためのアドバイスをしてくれます。
価格交渉の仕方を学んでおく
住宅ローン返済中の家を高く売却するためには、価格交渉の仕方を学んでおくことが重要です。
以下は、価格交渉のコツです。
市場価格を調べる
まず、同様の物件がどのような価格で取引されているかを調べることが大切です。
不動産会社やインターネットの不動産サイトを活用し、市場価格を確認しましょう。
売り手の理由を理解する
物件を売る理由には、様々な背景があります。例えば、急な転勤や家族の事情などです。
売り手がどのような状況にあるのかを理解し、その状況を踏まえた価格交渉をすることが大切です。
値引きの余地を探る
物件によっては、売り手が希望する価格よりも、実際の価値が低い場合があります。
そのような場合は、売り手が価格交渉に応じる余地があるかどうかを探り、適切な価格を提示することが大切です。
自分の予算を明確にする
購入者として、自分がいくらまでなら買いたいと思えるのかを明確にしておくことも大切です。
そうすることで、相手方との交渉がスムーズになり、自分が求める価格で購入することができる可能性が高まります。
プロのアドバイスを受ける
価格交渉に自信がない場合は、不動産会社や不動産エージェントなどのプロのアドバイスを受けることもお勧めします。
プロは市場価格や物件の評価に精通しており、適切な価格交渉を行うことができます。
以上のように、価格交渉のコツを学び、市場価格や売り手の理由を理解することで、住宅ローン返済中の家を高く売却することができます。
また、プロのアドバイスを受けることで、より効果的な価格交渉を行うことができます。
まとめ
知っておくのと知らないのとでは大きな差が出る住み替えローン。
まだローンが残っているのに家が売れるのかと心配だった方は少し希望が見えてきたのではないでしょうか。
もちろんこれを利用するかしないかはあなた次第なので、不動産会社ともよく話し合って専門的な知識を取り入れつつ決めてみましょう。